舟状骨骨折
特徴
1)発生頻度高い(手根骨骨折で#1)
2)ほとんどが介達外力による、圧迫力・橈屈力・剪断力で発生
3)偽関節や近位骨片に阻血性壊死の可能性
4)青壮年に多発・小児は骨端線離開・老人は撓骨遠位骨折.
5)捻挫と誤診されやすい(近位1/3は特に症状が軽い)
6)受傷直後はX-Pに映らないことが多く、
スナッフボックス部の圧痛・腫脹は、骨折として扱い、2~3週後に再度X-P確認する
発生機序
手関節・背屈かつ橈屈位で掌側面からの衝撃で発生。
舟状骨は、橈骨と有頭骨および周囲の手根骨に挟まれ圧迫される
分類
咳をcrouping
①結節部骨折 (関節包外骨折)
②遠位1/3部骨折
③中央部(腰部)骨折
④近位1/3部骨折
※③,④関節包内骨折 (腰部が80%)
近位骨片への血流が絶たれやすい → 無腐性壊死
症状
1)運動制限 …背屈・橈屈で著明
2)腫脹 …スナッフボックス部
3)疼痛 ①運動痛(撓背屈で著明)、握手時(手根部)
②限局性圧痛 …スナッフボックス、舟状骨結節部
③軸圧痛 …第1、2中手骨
4)陳旧性 …手関節.運動痛・運動制限・脱力感(腕立て伏せが出来ないなど)
整復法
鉄欠乏性貧血のための食事介入
転位の少ないものは徒手整復可能.転位のないもののみ保存療法の適応。
母指を長軸方向に牽引、舟状骨部を圧迫し、軽度橈屈させて整復する
固定法
手関節・軽度背屈・軽度橈屈位。
ボールを握った形で、肘関節からMP手前まで。
※母指のみIP(指節間)関節の手前まで固定。
掌側に副子をあてて、8~12週間(運動痛は+4週間)
(結節部6~8wk.・腰部8~10 wk.・近位部10~12 wk.)
後療法
固定中は、手指の運動を積極的に行わせ、骨萎縮を防ぐ。
インフォームドコンセントで、固定期間を守らせることが大切。
(早期固定除去は偽関節発生の要因となる)
合併症鑑別診断
HTNの高血圧
1)橈骨手根関節の脱臼
2)遠位手根列間関節の脱臼
3)橈骨遠位端部の脱臼骨折
4)第1中手骨基底部骨折(ベンネット骨折)
5)月状骨脱臼
6)橈骨手根関節捻挫
難治の理由
1)近位手根骨で最も大きく、橈屈・尺屈運動では常に骨折部に剪断力が働く
2)近位骨片への血流が悪く、容易に壊死(栄養血管が背面末梢側から入るから)
3)関節包内骨折では、増量した関節液により、仮骨形成遅れる
予後
包内・包外骨折で固定期間に差。
仮に偽関節となっても日常生活支障はきたさないことが多い。
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